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現在中国の民営企業数は1億社を超えており、人口は13億人、ネット人口は7億人、名目GDPでは日本の約3倍であることやその市場プレイヤー数や国際化の状況を見ても、世界一競争が激しく高いポテンシャルを持った巨大市場です。多くの中国投資家は、その競争に勝ち抜くために海外企業への出資を大きな経営戦略として位置づける必要性を感じています。
 

以下、中国企業(投資家)の視点から、その投資意欲と日本企業の受け入れがマッチングしない理由を説明します。

 

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1. 交渉プロセスにおける信頼関係の構築ができていない

中国からの投資において最初の障害となるのは、日中価値観の違いです。提携交渉において日本企業から頻繁に耳にするのは、「自分たちが望む水準の回答を迅速に出してこない」「本格的交渉に入っていけば入っていくほど、入り口部分で見せた意欲が減退していくように見える」など、中国側の意識の低さを指摘する発言です。

 

この背景には、日本企業と中国企業の第三者に対する“初期的信頼度”の違いが考えられます。中国は歴史的経緯もあり、国内外を問わず初期段階から他企業を信頼する発想は比較的少なく、自分のアクションに対するリアクション及びその内容やスピードを慎重に観察しながら、相手が信頼に値するかを見極めて交渉を進めていきます。

 

交渉過程の一つ一つが信頼醸成(相手の見極め)の場となっていることを考えると、中国投資家の言動は、その交渉過程での相手方への不信感から来ている可能性も考慮しなければなりません。

 

2. 中国企業との提携イメージが明確になっていない

中国側の後出しの情報や新たな条件提示に戸惑い、当初の話の流れから外れてしまう、ということが往々にしてあります。

 

こういったケースでは、実は、日本企業側の出資受け入れ目的、中国側に求める役割、協業イメージなどが交渉段階において明確でないことが多々あります。中国側は、明確なイメージの基に戦略的に交渉を行っているだけですが、イメージが明確でない日本企業にとって不利な立場に持っていかれているという不安感が増幅し、交渉破綻、提携解消につながります。

 

「薄く広くアンテナを張りたい」という姿勢も理解できますが、その前提として、自企業のスタンスを明確にしておかなければ、中国側からいたずらに交渉をコントロールされているという不安感を拭えません。

3. 相手の利益を考え、明確に伝えていない

上記1.の心構えを持ち、2.の整理を行った上で、中国企業を真剣な交渉の場に引っ張り込むには、相手にどのようなメリットがあるのかを整理し、明確に提示することが重要です。

 

日本企業同士では、メリットを明確に伝えずとも“あうん”の呼吸で伝わることがあるのですが、日中交渉でこの部分をおろそかにすると、「日本側は真剣に提携する気があるのか?」と、疑心暗鬼になってしまいます。言い換えれば、中国では、相手をビジネスパートナーとして尊重する姿勢がまず大事になります。

 

実際、日本企業の中国企業に対するパートナー意識の欠如を指摘する声を中国国内でよく耳にします。

中国企業に対してどういうWINが与えられるのかを考え、言動をコントロールすることは、相手の尊重を伝える上でも、交渉を有利に働かせる上でも重要です。

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中国投資家からの出資を受け入れるには、日本国内以上にシビアな交渉が必要となります。クロスボーダーである以上、立場の明確化、相手との信頼関係、相手へのメリットの提供を意識的に行わなければいけません。

 

その一方で、市場環境におけるプレーヤーの属性の違いから、国内投資家とは違った視点からの出資を戦略的に得られる可能性は大いにあると言えます。​​

 

                                      2018.02.13