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資金調達を考える際、まずその合法性を検討しなければなりません。

資金調達の手段は、負債を増やすか資本を増やすかの二つしかありません。前者は、金銭消費貸借契約や社債引き受けによる借入、後者は株式引き受けによる増資などが挙げられます。

 

幅広く資金調達をする場合、不特定多数の資金提供者候補に対して、十分なメリットを約束することがあります。例えば、「月利5パーセント(年利60%)および元本保証」といった支払いを確約した契約を出資側と締結します。この場合、資本を増加させる場合、元本や利払い保証などは違法となります。また利払いについては、負債を増加させる際には、年利20%以上は業として貸付を行う際に違法となります。以下、出資法および利息制限法に焦点を当てて説明いたします。

 

①年利20%以上の支払い(利息制限法、出資法)

利息制限法によれば、貸付側は、利息制限法により100万円を超える貸付は、年利15%以内にする必要があります。一方、出資法によれば一律年利20%を超えると違法になります。2つの法律間の15%~20%のいわゆるグレーゾーン金利は、利息制限法により民事上無効、行政処分の対象となります。ただし、出資法においては業として貸付を行わない場合、年利109.5%まで許容されます。業として行う場合は、出資法によれば当該20%を超える場合は、懲役5年以下もしくは1000万円以下の罰金、109.5%を超える場合は、懲役10年以下もしくは3000万円以下の罰金が科せられます。

 

②元本保証(出資法)

出資法によれば、正規の認可がない限り、いかなる者も元本を保証することは許されていません。元本保証は貸付側のリスクを大きく減少させるので、つい訴求してしまう言葉でもあります。これに違反した場合、懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金が科せられます。

 

③預り金(出資法)

出資法によれば、不特定多数から預金や定期預金、それに類する名目を問わない支払いを明示もしくは暗黙で伝えた場合、預り金とみなされます。元本保証がされているということも当然ポイントとなります。この場合、正規の認可がないと懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金が科せられます。

上記の違法性を回避するため、元本や一定の利払い保証はしないが、高利回りをアピールした出資金の募集をする場合も多く見受けられます。株式を対価とする場合はあまり問題となりなりませんが、そうでない場合は、いわゆる「集団投資スキーム=ファンドスキーム」に該当することになり、金融商品取引法等による適切な許認可がなければ違法となります。気を付けなければならないのは、集団投資スキームといっても、集団からの出資であることは要件ではなく、一名からの出資であっても認可が必要であるということです。ただし、出資金の運用そのものに投資家全員が関わるなどの場合は、上記認可は必要がないスキームもあります。

 

返済や配当が順調に言っている場合は、その違法性を表面化させる双方のメリットがないため、当該スキームに成功体験を感じてしまい、止めることはないかもしれません。しかし、返済や配当が滞った場合、一気に違法行為が明るみになる可能性があります。投資家から資金調達する際には、適法性を確認しながら行わなければ、事業を継続するどころか、事業そのものおよび当事者の生活が成り立たなくなってしまう事態になりかねません。

 

投資する側もされる側も知らず知らずの内に違法なスキームに関わっていないか、一度立ち止まって検討ください。

2019.02.25