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エンジェル投資家は経営者を見ている



エンジェル投資家とは、文字通り投資先企業にとってはエンジェルのような存在に映ります。一般的なベンチャーキャピタルでは投資しない状況であっても、その独自の判断で柔軟に投資決定することもあります。


投資先企業の対象となるのは、多くの場合、シードおよびアーリーステージと呼ばれる、一見すると先行き見通しが困難な企業となります。とはいえ、投資家は確率論的にエイヤで投資をするわけではありません。エンジェルとは言っても、寄付でもボランティアでもなく、彼らの動悸は純然たる社会的付加価値および企業価値を高めることであり、ハイリスクであるが故にハイリターンを期待する冷静な目を持っています。


エンジェル投資家は個人投資家が多く、自身で相当な事業経験と失敗経験を繰り返して培われた独自の判断基準を持っています。だからこそ、起業の大変さやアーリーステージでの経営者のつらさに共感でき、画一的な財務視点とは違った視点で投資決定することも往々にしてあります。言い換えれば、経営者の資質を重点的に観察する傾向があります。


現実として観察されるのは以下のような項目になります。


①事業計画への柔軟性はあるか

シード、アーリーステージでは、そもそも事業計画が予定通り進むとは投資家は思っていません。うまく行かないときに、目的を達成するために、他の道筋を柔軟に設計できるか、またモチベーション高く、代替案を履行できるかを主に見ています。


②十分な専門知識を持ち合わせているか

専門知識の有無は、そのフィールドでビジネスを行うために重要です。何よりもそういったことが頭に入っておらず、また見識もない状態であった場合、勉強を積極的にしておらず、業界での成功に対して侮っているのではないか、という疑いの目が向けられても仕方ありません。


③信頼されているか

従業員、取引先、ビジネスパートナー等への信頼は代えがたいものです。事業に行き詰った場合、経営面、営業面、資金面などで、「この人をなんとか助けてあげたい」と思わせる信頼関係をステークホルダーと築けているかどうかは、会社の協力なセーフティーネットとなり、投資家にとっては一つの大きな魅力となります。

④消費者の視点から発想できているか

マーケットが望んでいない技術、製品を磨き上げている場合があります。製品の価値は、製作者がきめるのではなく、消費者が決めます。また購入するタイミング、量も消費者が決定します。消費者が求めているものから逆算して、製品設計をする発想および姿勢が著しく欠けている場合、独りよがりの消費されない製品に多くの時間とお金をかけてしまうおそれがあります。投資家にとっては大きな不安になります。


会社は潰れなければ必ずチャンスが訪れます。そのチャンスをつかむことができるかどうかが上記4つの視点ではないでしょうか。エンジェル投資家のコメントは、将来を映す鏡です。彼らの評価に気を配りながら事業を進める視点を持つことは、ベンチャー企業にとって成長の大きなヒントになることでしょう。


投資家の視点から発想するのも、よいかもしれません。


                                      

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