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投資家の第一印象を上げるために




当社はベンチャーキャピタルという業務上、特にスタートアップ企業からの出資依頼をいただくことがほとんどです。今回は弊社が資本参加させていただいた企業の特徴を検討初期段階にフォーカスして整理いたします。

その1.ビジネスモデルがシンプルかつ切り口が新しい

スキームが複雑なビジネスモデルは以下のデメリットがあります。

・聞いている方が時間をかけないと理解できない ・利害関係者が増えることでモデルが成功する確率が下がる ・役割が分散することで、対象会社への投資意義(担う役割)が希薄になる

よってスキームは出来る限りシンプルにする(表現する)ことが重要です。またシンプルだけでなく切り口が新しいかどうかもポイントになります。


例えばECサイト運営会社が広告コストをかけて国内アクセス数を増やすことは当たり前の観点であり、競合の中での魅力は乏しいでしょう。一方で、どこよりも多言語表示、多言語サポート、多国通貨対応により全世界的に使いやすいサイト構築を徹底することはおもしろいと感じます。この切り口が今現在で新しいかはさておき、直線的ではない観点から既存ビジネスに付加価値をつけられる発想は常に目指すべきだと思います。

その2.プレゼンテーション資料が分かりやすい

投資家は日々多くの出資提案を受けているという前提に立つと、一案件につき5分~10分で本質を理解させなければなりません。当社でも詳細な情報を詰め込んで、説明書のような事業紹介資料をいただくことが多いのですが、文字数が多くメッセージが複数に渡るとスッと頭に入ってきません。


1ページ1メッセージで余計な情報は極力削減することをお勧めします。資料10ページくらいの10メッセージ程度で事業の魅力を伝えきるということを心がければ投資家へのつかみはより良いものになります。その上でしっかりと質問に答えられるような詳細資料を別途用意しておきます。

その3.ビジネスモデルの弱い部分、競合との比較を等身大で把握している

ビジネスモデルの脆弱な部分は本人が最も分かっているはずです。その部分を隠すのではなく、すべて伝えた上でどのような対策を取るべきかを明確にすることは、隠すよりも投資家の心理にプラスの影響を与えます。また投資家と出資後数年付き合う上で、隠して進めたことは必ず表に出てお互いが傷つくことになります。


競合との比較も同様で、すでに先行特許を取得されていたり、同じビジネスで先行している競合の存在を隠して進めることは、社会的にマイナスの行為にしかなりません。

投資家は常にアクションを起こして、時間を大切にされる方が多いと思います。せっかく投資するのであれば人とは違ったことで、社会的意義のある事業や組織と付き合いたいと考えています。

投資家に限らず、人はどうしても第一印象に引きずられます。投資家へのプレゼンテーションは一発勝負であり、2回目にリカバリーしようとしても難しいケースがほとんどです。投資家もまた事業家であり、パートナーとして参画してもらう観点から、短い時間でどうすれば賛同してもらえるかを考えて、万全を期したプレゼンテーションを準備しましょう。


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